先に知っておきたいこと
オンライン変換は、ファイルを外部のサーバーに送る方法
手元のソフトで変換する場合、ファイルは自分のパソコンの中にとどまります。オンライン変換は、ファイルをインターネットの先のサーバーに送って処理します。手軽さと引き換えに、ファイルの扱いを、サービスに預けることになります。
この記事は、サービス名や数値を載せない
無料で使える大きさや回数、料金、対応する形式は、サービスごとに違い、変わることもあります。掲載後に古くなるおそれがあるため、個別のサービスの名前と数値は載せていません。
確認点1:送ってよい原稿か
未発表の原稿、他人から預かった資料、個人情報を含む文書は、慎重に扱います。送ってよいかを、次の順で考えます。
- 公開前の原稿や、秘密にすべき内容が含まれていないか
- 共著者や依頼主など、自分以外の関係者の許可が必要ないか
- 不安があるなら、オンラインではなく、手元で変換する方法にする
確認点2:利用規約とファイルの扱い
サービスの利用規約やプライバシーの案内で、次の点を確認します。
- アップロードしたファイルが、変換後も保存されるか。保存されるなら、どのくらいの期間か
- ファイルが、サービス側の目的で使われることがないか
- 変換した結果を、自分の作品として配布・販売して問題ないか
読んでも分からない場合は、機密性の高いものは送らない、という判断が安全です。
確認点3:制限(大きさ・回数・形式)
無料で使える範囲に、制限があるサービスが多くあります。内容はサービスごとに違い、変わることもあります。使う前に、次の点を確認してください。
- 1回で変換できるファイルの大きさ
- 1日などの期間で変換できる回数
- 手元の原稿の形式(Word、PDF、HTML、テキストなど)に対応しているか
- 変換結果の保存期限
画像が多い原稿は、ファイルが大きくなりやすく、制限に当たりやすくなります。
確認点4:変換後の確認方法
変換が終わっても、出来上がりが正しいとは限りません。次の方法で確認します。
- リーダーで開く。 目次、見出し、画像、段落の区切りを見る
- 日本語の縦書き・ルビを確認する。 向き、位置、文字の欠けを見る
- Kindle Previewerで確認する。 KDPで出すなら、タブレット・スマートフォン・Kindle端末での見え方を確認できる
サービスによって、見出しや段落の扱いに差が出る場合があります。確認の項目は、高品質なEPUBを作るチェックリスト|変換前から公開前までにまとめています。
確認点5:この原稿に、オンライン変換が向くか
向く場面
- 公開しても問題のない、短い文書を1回だけ試したい
- ソフトをインストールできない環境で、とりあえず形を見たい
向かない場面
- 未発表の原稿や、個人情報を含む文書
- PDFからの変換。Calibreのマニュアルが、PDFは入力形式として不向きだと明記しているように、PDFは崩れやすい(詳しくはPDFをEPUBに変換する方法3選|崩れる理由と注意点)
- 複雑な表や段組を含む書式
- 何度も繰り返して変換したい、大量に変換したい
ローカルの手段との使い分け
手元で変換する方法は、ファイルを外に送らずに済みます。
- Word原稿: WordToEPUB(DAISYコンソーシアムが提供する、Word用の無料のアドイン。公式ページによるとWindows 7〜11に対応)やCalibre。詳しくはWordをEPUBに変換する方法4選|無料ツールの選び方
- いろいろな形式: Calibre。詳しくはEPUBを無料で作る方法6選|目的別の選び方
ソフトの導入や設定の手間と、ファイルを外に送る点を比べて選びます。
スマホから使うとき
パソコンがない外出先では、ブラウザで使えるオンライン変換なら、スマホからファイルをアップロードして変換できる場合があります。ただし、使えるかどうかはサービスごとに異なるため、使う前に各サービスの案内を確認してください。
スマホだけで最後まで仕上げるのは、難しい場面があります。KDPで出すなら、Kindle Previewerでの確認が勧められていますが、Kindle Previewerは、公式の案内でWindows 10(64ビット)以降と、macOS 12以降が対象です。スマホ向けの案内は確認できませんでした。そのため、次の分け方が現実的です。
- スマホで: 原稿を書く、見出しを付ける、クラウドに保存する。公開してよい短い文書なら、オンライン変換を試す
- パソコンで: 変換結果の確認(リーダー、Kindle Previewer)、目次・縦書き・ルビの確認と直し
スマホからでも、上の確認点1〜4は変わりません。ファイルを外に送ることになるため、特に確認点1・2を先に見てください。
結論:送る前に、5つを確認する
| 確認点 | 見ること | 迷ったら |
|---|---|---|
| 1. 原稿 | 未発表・個人情報・他人の資料でないか | 送らず、手元で変換する |
| 2. 規約 | ファイルの保存・利用・結果の扱い | 読んで分からなければ、機密は送らない |
| 3. 制限 | 大きさ・回数・形式・保存期限 | 使う時点で確認する |
| 4. 変換後 | リーダーとKindle Previewerで確認 | 縦書き・ルビも見る |
| 5. 向き不向き | 短い文書の試し変換には向く | PDF・複雑な書式・機密は別の手段へ |
よくある質問
オンライン変換は、安全ですか?
サービスごとに異なるため、一概には言えません。この記事の確認時点で、特定のサービスの安全性を確かめてはいません。利用規約とファイルの扱いを確認し、機密性の高いファイルは送らない判断をしてください。
無料でどこまで使えますか?
サービスごとに異なり、変わることもあります。利用する時点で、各サービスの案内を確認してください。
変換したEPUBを、そのままKDPに出せますか?
KDPはEPUBを受け付けますが、出す前にKindle Previewerで確認することが勧められています。Wordのまま出す方法もあるため、EPUB変換ツールの選び方|目的別に比べる5つの基準も参考にしてください。