高品質なEPUBを作るチェックリスト|変換前から公開前まで

原稿・変換・検証・表示確認・仕上げ。順番に確認できる5段階のリスト

分類:EPUBへの変換方法 最終更新日:2026年10月11日 読む目安:約5分

この記事のポイント

  • 品質は「変換前の原稿」「変換」「ツールでの検証」「実際の表示確認」「仕上げ」の5段階で確認すると、抜けが減る
  • EPUBCheckは規格に合っているかを、Aceはアクセシビリティを調べるツール。どちらも、表示の確認の代わりにはならない
  • KDPで出すなら、目次(NCXまたはnav)・表紙の仕様・Kindle Previewerでの確認を外さない

変換できたEPUBが、そのまま公開できる出来とは限りません。目次のリンクが切れていたり、端末によって崩れたりすることがあります。公開前に何を確認するかを、あらかじめ決めておくと安心です。

この記事では、EPUBを公開するまでの確認項目を、5段階のチェックリストにまとめます。使えるツールの役割も整理します。

先に知っておきたいこと

確認は「機械でできるもの」と「目でしかできないもの」に分かれる

規格に合っているか、必要な情報が欠けていないか、といった点は、ツールで調べられます。一方、見た目が読みやすいか、縦書きやルビが意図どおりか、といった点は、実際に開いて確かめるしかありません。どちらか片方では足りません。

確認する順番は、前の段階ほど効く

原稿の段階で整えておくと、変換後の直しが減ります。後の段階で問題が見つかるほど、戻る範囲が広がります。リストは、前から順に使ってください。

確認に使う3つのツール

EPUBCheck(規格への適合を調べる)

W3Cのプロジェクトで、DAISYコンソーシアムが保守しています。EPUBが公式の仕様に合っているかを調べるツールで、EPUB 2と3に対応します。公式ページによると、MITライセンスのオープンソースで、コマンドラインで動かします。画面で使いたい場合は、EPUBCheckを組み込んだ他社のアプリがあると公式ページに書かれています。

Ace by DAISY(アクセシビリティを調べる)

DAISYコンソーシアムが開発した、EPUBのアクセシビリティの機能を評価するためのツールです。公式ページによると、HTMLの規則とEPUBの規則の2種類で調べます。評価を助けるツールなので、結果は人が読んで判断します。

Kindle Previewer(Kindleでの表示を確認する)

KDPが案内する無料のアプリです。.epub・.htm・.html・.xhtml・.kpfなどを開け、タブレット・スマートフォン・Kindle端末での見え方を、縦向き・横向きや文字サイズを変えて確認できます。Windows 10(64ビット)以降と、macOS 12以降に対応しています。

チェックリスト

1. 原稿の準備

  • [ ] 見出しに、スタイル(「見出し1」やh1・h2のタグ)を使っている
  • [ ] 空行やスペースで位置をそろえず、段落の設定で整えている
  • [ ] 画像を貼り付けではなく、挿入の機能で入れている(KDPのヘルプの推奨)
  • [ ] PDFではなく、WordやMarkdownなど、構造を持つ形式から変換する

2. 変換

  • [ ] 題名・著者・言語を、変換のときに入力した
  • [ ] 表紙を設定した。KDPなら、理想は縦2,560×横1,600ピクセル、最小は縦1,000×横625ピクセル、TIFFまたはJPEG、RGB、50MB未満
  • [ ] 変換の設定(目次の作り方など)を確認した

3. ツールでの検証

  • [ ] EPUBCheckで、エラーと警告を確認し、エラーを直した
  • [ ] (アクセシビリティを重視するなら)画像に代替テキストを付け、Aceの結果を読んだ

4. 表示の確認

  • [ ] 目次のリンクが、正しい場所に飛ぶ
  • [ ] 目次の項目が、本の順番に並び、抜けや重複がない
  • [ ] 画像や表が崩れていない
  • [ ] 日本語の縦書き・ルビの向き、位置、文字の欠けを確認した
  • [ ] Kindle Previewerで、複数の端末の表示と文字サイズを確認した
  • [ ] 普段お使いのEPUBリーダーでも開いて確認した

5. 仕上げ

  • [ ] KDPの目次の条件を確認した。HTMLの目次は本の先頭に置き、tableタグやページ番号は使わない。論理的な目次(NCXまたはEPUB 3のnav)は、特に20ページを超える本で重要。Kindleは2階層までの入れ子に対応している
  • [ ] DRMの設定を、出版者として決めた(KDPで選べる)
  • [ ] 修正の前後のファイルを、日付などを付けて残した

各段階で、よくあるつまずき

  • 原稿の段階: 見出しを大きく太くしただけで、見出しのスタイルを使っていない。目次が自動で作られない原因になる
  • 変換の段階: 題名や言語の入力漏れ。リーダーやKDPの画面での表示に影響する
  • 検証の段階: EPUBCheckで問題が出なくても、見た目の崩れは見つからない
  • 表示確認の段階: 1つの環境だけで確認する。リーダーごとの差は、EPUBがリーダーで崩れる理由と対策|表示差の原因で整理しています

結論:5段階を順に、抜けなく

段階確認すること使うもの
原稿見出し・段落・画像の作り方WordやHTMLのスタイル
変換メタデータ・表紙・目次の設定変換ツール
検証規格への適合、アクセシビリティEPUBCheck、Ace
表示目次・画像・縦書き・ルビKindle Previewer、リーダー
仕上げKDPの条件、DRM、保存KDPのヘルプ

ツールの結果が良好でも、表示の確認は省けません。逆に、見た目が良くても、検証で見つかる不備があります。両方を組み合わせて使ってください。

よくある質問

EPUBCheckでエラーが出なければ、公開してよいですか?

規格の面では一つの目安になりますが、それだけでは足りません。見た目や、目次の動作、縦書き・ルビの出方は、実際に開いて確認してください。KDPで出すなら、Kindle Previewerも使います。

Aceは必ず使う必要がありますか?

KDPのヘルプで必須とされているかは、この記事の確認時点で確認できていません。アクセシビリティを重視する場合に、役立つツールです。

画像の解像度は、どのくらいにすればよいですか?

表紙はKDPの仕様があります。本文の画像については、この記事の確認時点で、KDPの公式ヘルプで数値を確認できなかったため、載せていません。

参考リンク

情報は変わることがあります。最新の内容は、各公式サイトで確認してください。

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