WordをEPUBに変換する方法4選|無料ツールの選び方

無料のアドイン・ソフト・コマンド・オンライン変換。目的別に、選び方が分かります

分類:EPUBへの変換方法 最終更新日:2026年10月9日 読む目安:約6分

この記事のポイント

  • WordにはEPUBで保存する機能がなく、何らかのツールを一度通す必要がある
  • 無料で試すならCalibre、Windowsで教材・資料ならWordToEPUB、1回だけならオンライン変換が手軽
  • どの方法でも、変換前に「見出し」などのスタイルをWordで正しく付けておくと結果が良くなる

Wordで書いた原稿を、EPUBにしたい。そう思って調べると、ツールの名前ばかりが並び、結局どれを選べばよいのか分かりにくいものです。

この記事では、WordからEPUBを作る方法を4つに分けて比べます。Kindle本(KDP)として出す人が先に確認したい点と、どの方法でも結果が良くなる「変換前のWordの整え方」も紹介します。

先に知っておきたいこと

WordにはEPUBで保存する機能がない

Wordの「名前を付けて保存」には、EPUBの形式がありません。Microsoftのコミュニティの回答でも、WordにEPUBの保存機能はなく、各出版社が用意する変換ツールや、Kindle Create、Calibreなどを使うよう案内されています。そのため、何らかのツールを一度通す必要があります。

KDPはWordのままでも受け付ける

Kindle本を出すだけなら、EPUBにしなくても構いません。KDPのヘルプでは、受け付ける原稿の形式として、Microsoft Word(DOC/DOCX)、EPUB、Kindle Package Format(KPF)などが挙げられています。Wordのファイルも多くはうまく変換されますが、複雑な書式を含む場合は変換がうまくいかないことがあるため、Kindle Previewerでの確認が勧められています。

それでもEPUBを自分で作る理由は、次のようなものです。

  • 目次や見出し、画像の位置を、自分で確かめて整えたい
  • KDP以外の電子書店や配布にも使いたい
  • 縦書きやルビなど、日本語の本らしい見た目に整えたい

変換した結果は、必ず目で確認する

どの方法でも、変換後のEPUBは読むための端末やアプリで開いて確認します。KDPにアップロードしたあとも、オンラインプレビューア(タブレット・スマートフォン・Kindle端末での見え方)と、パソコンのKindle Previewerで確認できます。

方法1:WordToEPUB(無料のWord用アドイン)

DAISYコンソーシアムが提供する無料のツールです。公式ページによると、Windows 7〜11に対応し、無料でダウンロードできます。最新版は2023年7月公開のバージョン1.0.11です。Mac版についての記載は、公式ページにはありません。

手順

  1. 公式ページからインストーラー(setupWordToEPUB.exe)をダウンロードして実行する
  2. Wordで原稿を開く。見出しには「見出し1」「見出し2」などのスタイルを使っておく
  3. 追加されたWordToEPUBの機能から、題名・著者・言語などを入力して書き出す

向いている場面

読み上げソフトで読みやすいEPUBを作る、教材や資料を配布する、という場面です。画像に代替テキストを付けるなど、アクセシビリティを意識した作りが特長です。

注意点

小説の縦書きや、凝った装飾を細かく指定したい場合には、あとからEPUBの中身を編集する必要が出ることがあります。

方法2:Calibre(無料の電子書籍ソフト)

電子書籍の管理と変換ができる無料のソフトです。公式のマニュアルには、Word 2007以降で作った.docxを自動で変換できること、Wordで「見出し1」「見出し2」などのスタイルを付けておくと、見出しから目次を自動で作れることが書かれています。

手順

  1. Calibreに原稿(.docx)を追加する
  2. 「本を変換」を選び、出力形式を「EPUB」にする
  3. 題名・著者・表紙などのメタデータを確認して変換する
  4. 出来上がったEPUBを、リーダーやKindle Previewerで確認する

注意点

設定項目が多く、思い通りの見た目にするには試行錯誤が必要です。日本語の縦書きやルビが意図どおりに出るかは、書き出したあとに必ず確かめてください。見た目を細かく直すなら、EPUBの編集ソフト(Sigilなど)での仕上げも選択肢になります。

方法3:Pandoc(コマンドで変換)

文書を別の形式に変換する無料のコマンドラインツールです。公式マニュアルによると、出力ファイル名の拡張子に.epubを指定するとEPUB(3)が作れます。EPUB 2にしたいときはepub2を指定します。目次は--toc、表紙画像は--epub-cover-imageで指定します。

pandoc 原稿.docx -o 本.epub --toc --css=style.css

公式マニュアルは、EPUBを作るときはスタイルシート(CSS)が必要だと書いています。見た目は自分でCSSを書いて決めることになるため、コマンドとCSSに慣れた人向けの方法です。

方法4:オンライン変換サービス

ブラウザでWordファイルをアップロードし、出力形式にEPUBを選んでダウンロードする方法です。インストールが要らず、1回だけ試したいときに向いています。

気をつける点は次のとおりです。

  • ファイルを外部のサーバーに送るため、未発表の原稿や個人情報を含む文書には慎重になる。利用規約と、ファイルの扱いを確認する
  • 無料で使えるファイルサイズや変換回数に制限がある場合が多い。サービスごとに異なり、変わることもあるので、利用時に各サービスの案内で確認する
  • 目次や見出しの扱い、日本語の縦書き・ルビなどは、サービスによって差が出る

変換前に、Wordを整える5つのポイント

どの方法でも、結果の差を生むのは変換前のWordです。

  1. 見出しに「見出し1」「見出し2」のスタイルを使う。 文字を大きく太くするだけでは、見出しとして認識されません。目次の自動作成にも必要です
  2. 空行で間を空けず、段落の設定で調整する。 空行の連続や、スペースで位置をそろえる書き方は、端末によって崩れる原因になります
  3. 画像は「挿入」で入れる。 KDPのヘルプも、コピーして貼り付けるのではなく挿入機能を使うよう勧めています
  4. 強制改行を減らし、章の終わりに改ページを入れる。 こちらもKDPのヘルプにある推奨です
  5. 本文をテキストボックスに入れない。 変換で落ちたり、順序が崩れたりする原因になります

結論:目的で選べば迷わない

方法費用向いている人気をつける点
WordToEPUB(アドイン)無料Windowsで、アクセシブルな教材・資料を作りたいWindows向け。見た目の細かい調整や縦書きは、あとから編集が必要になることがある
Calibre(ソフト)無料手元で変換して、目次やメタデータも自分で調整したい設定項目が多く、慣れが要る。仕上がりの確認は必須
Pandoc(コマンド)無料コマンド操作に慣れた人、技術書・文書を量産したいCSSを自分で用意する必要がある
オンライン変換サービス無料枠あり1回だけ、手軽に試したいアップロードが必要。サイズや回数の制限がある

「とにかく無料で試す」ならCalibre、Windowsでアクセシビリティを重視するならWordToEPUB、コマンド操作に慣れているならPandoc、1回だけ手軽に試すならオンライン変換が目安です。

よくある質問

WordをそのままKDPにアップロードしてもよいですか?

はい。KDPはWord(DOC/DOCX)を受け付けます。ただし、複雑な書式があると変換が思い通りにならないことがあるため、アップロード後のプレビューで確認してください。

無料の方法で、売り物になるEPUBは作れますか?

作れます。ただし、無料のツールは見た目の細かい調整を自分で行うことが前提です。目次、見出し、画像、ルビの出方を、端末とKindle Previewerで確かめる手間がかかります。

縦書きの小説も、これらの方法で作れますか?

この記事の方法では、縦書きとルビが意図どおりに出るかを、それぞれ確認する必要があります。書き出したあと、端末とKindle Previewerで、縦書きの向き・ルビの位置・目次を確かめてください。

MacでもWordからEPUBを作れますか?

WordToEPUBの公式ページには、Mac版の記載はありません。MacではCalibreやPandoc、オンライン変換が選択肢になります。

参考リンク

情報は変わることがあります。最新の内容は、各公式サイトで確認してください。

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