EPUBファイルの中身と構成|フォルダとファイルの役割

ZIPを開いて見える、mimetype・container.xml・opf・nav・本文の役割

分類:EPUBの基礎 最終更新日:2026年10月11日 読む目安:約5分

この記事のポイント

  • EPUBはZIP形式のコンテナで、mimetype、META-INF/container.xml、パッケージ文書(.opf)、ナビゲーション文書、本文などで構成される
  • mimetypeは、アーカイブの最初に、圧縮せずに置くことが仕様で定められている
  • フォルダの名前は仕様で決まっていない。container.xmlが、パッケージ文書の場所を指す

EPUBの拡張子を.zipに変えて開くと、フォルダとファイルがいくつも並んでいます。どれが何の役割なのか、一度に見ると戸惑うかもしれません。

この記事では、EPUBの中身を、EPUB 3.3の仕様で確認できた範囲で整理します。作り方の記事を読む前に、全体の地図として使ってください。

先に知っておきたいこと

EPUBは、ZIP形式のコンテナ

W3Cの解説では、EPUBは、識別のための情報を付けたZIPファイルだと説明されています。EPUB 3.3の仕様は、このZIPの形式を、OCF(Open Container Format)として定めています。拡張子は.epubです。

解凍して見るのは、仕組みを知るため

多くのツール(Calibre、Sigil、Wordからの変換など)は、この構成を自動で作ります。自分でファイルを作る必要は、通常ありません。仕組みを知っておくと、エラーが出たときや、中身を直したいときに役立ちます。

EPUBの基本構成

構成の例です。フォルダの名前は、あくまで例です。

book.epub
├── mimetype
├── META-INF/
│   └── container.xml
└── OEBPS/
    ├── content.opf        (パッケージ文書)
    ├── nav.xhtml          (ナビゲーション文書)
    ├── chapter1.xhtml     (本文)
    ├── chapter2.xhtml
    ├── styles/
    │   └── style.css
    └── images/
        └── fig1.png

各ファイルの役割

mimetype

ファイルの中身は、EPUBであることを示すapplication/epub+zipという1行です。EPUB 3.3の仕様では、ルートにあるmimetypeというファイル名が予約されています。アーカイブの最初のファイルで、圧縮せずに保存することが定められています。

META-INF/container.xml

リーダーが、パッケージ文書を探す手がかりにするファイルです。仕様では、META-INFディレクトリの中に置く、コンテナ文書です。ここにrootfile要素があり、full-path属性で、パッケージ文書の場所を、media-type属性で、その種類(application/oebps-package+xml)を示します。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<container version="1.0" xmlns="urn:oasis:names:tc:opendocument:xmlns:container">
  <rootfiles>
    <rootfile full-path="OEBPS/content.opf"
              media-type="application/oebps-package+xml"/>
  </rootfiles>
</container>

パッケージ文書(.opf)

本の情報、含まれるファイルの一覧、読む順番を書いたファイルです。拡張子は.opfが一般的です(メディアタイプの登録にも記載があります)。次の3つで構成されます。

  • metadata: 題名・言語・識別子などの本の情報
  • manifest: 本に含まれるファイルの一覧
  • spine: 本文を読む順番

書き方は、content.opfの書き方|タグと属性の意味を整理で扱います。

ナビゲーション文書

目次などの案内を書いたファイルです。EPUB 3.3の仕様では、EPUBの出版物には、ナビゲーション文書が必ず含まれ、XHTMLで書きます。書き方は、nav.xhtmlとepub:typeの解説|目次と構造の意味づけで扱います。

本文(XHTML)

各章の本文です。拡張子は.xhtmlが一般的です。仕様では、拡張子は指定されていません。章ごとにファイルを分けるのが一般的です。

CSS・画像・フォント

見た目を決めるCSS、挿絵などの画像、埋め込むフォントです。パッケージ文書のmanifestに、一覧として登録します。仕様は、出版物のリソースは、META-INFの中身とmimetypeを除いて、manifestに載せることを定めています。

フォルダの名前は決まっていない

この例では、本文などを入れるフォルダをOEBPSとしていますが、仕様がこの名前を指定しているわけではありません。リーダーは、container.xmlのfull-pathが指す場所から、パッケージ文書を探します。そのため、名前はOEBPSでも別の名前でも、container.xmlと合っていれば構いません。

古い要素

EPUB 2の頃の要素のうち、次は仕様で「旧来の機能(legacy)」とされています。

  • NCX(toc.ncx): 目次用のファイル。EPUB 3.3では、必須ではなくなっています
  • guide要素: パッケージ文書の中の、案内用の要素

ただし、KDPのヘルプには、Kindleの目次の条件として、NCXまたはEPUB 3のnavが挙げられています(EPUB変換で崩れる原因と対策6つ|注意点まとめを参照)。KDPで出すEPUBは、KDPのガイドラインも確認してください。

結論:6つの役割で覚える

ファイル・フォルダ役割
mimetypeEPUBであることを示す。最初に、圧縮せずに置く
META-INF/container.xmlパッケージ文書の場所を示す
パッケージ文書(.opf)本の情報・ファイル一覧・読む順番
ナビゲーション文書目次などの案内
本文(.xhtml)各章の内容
CSS・画像・フォント見た目と素材。manifestに登録する

よくある質問

EPUBを自分で組み立てる必要はありますか?

通常は、ありません。WordやHTMLなどから変換すると、この構成が自動で作られます。変換の方法は、EPUBに変換する方法まとめ|元ファイル別の選び方を参照してください。

中身を直接直したいときは?

EPUBの編集ソフトを使う方法があります。CalibreとSigilでEPUBを作る流れ|変換から仕上げまでを参照してください。

組み立てたEPUBが正しいか、確認するには?

EPUBCheckで、仕様に合っているかを調べられます。確認の項目は、高品質なEPUBを作るチェックリスト|変換前から公開前までにまとめています。

参考リンク

情報は変わることがあります。最新の内容は、各公式サイトで確認してください。

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