CalibreとSigilでEPUBを作る流れ|変換から仕上げまで

変換はCalibre、仕上げはSigil。役割を分けた作業の流れを紹介します

分類:EPUBへの変換方法 最終更新日:2026年10月11日 読む目安:約5分

この記事のポイント

  • Calibreは変換と管理、Sigilは変換後のEPUBを直す編集と、役割が分かれている。続けて使うと、変換から仕上げまでを無料のソフトで進められる
  • Calibreにも編集機能(Edit book)があるため、直す内容が少なければCalibreだけで足りる場合もある
  • 仕上げたあとは、EPUBCheckとKindle Previewerで確認する。KDPで出すなら、目次の条件も確認する

EPUBを無料で作るとき、よく名前が挙がるのが、CalibreとSigilです。ただ、どちらが何をするソフトなのかが分かりにくい、という声もあります。

この記事では、2つのソフトの役割を整理して、変換から仕上げまでの流れを手順で紹介します。ソフトの選び方そのものは、EPUBを無料で作る方法6選|目的別の選び方にまとめています。ここでは、その方法3・4の手順を深掘りします。

先に知っておきたいこと

2つのソフトは、役割が違う

CalibreSigil
主な役割電子書籍の変換・管理EPUBの編集
入力できるものWord(.docx)・テキスト・HTML・PDFなど多数EPUB(2・3)
費用無料のオープンソース無料のオープンソース
対応OS公式サイトでWindows・Mac・LinuxなどWindows(インストーラーあり)。Mac・Linuxはビルド手順が公開されている

Calibreは、公式サイトで、数十種類のファイルを変換でき、目次の作成や余白の調整もできると説明されています。Sigilは、公式の開発ページで、EPUB 2・3を編集するための、無料のオープンソースの電子書籍エディターと紹介されています。

Sigilは、変換するソフトではない

SigilはEPUBを編集するソフトなので、WordやPDFを直接EPUBにすることは目的ではありません。Wordなどから作るなら、先にCalibreなどで変換します。

Calibreだけで済む場合もある

Calibreには、EPUBやKindleの形式を編集する機能(Edit book)が入っています。直したい箇所が少ないなら、Calibreだけで足りることもあります。目次やコードを、見た目を確かめながら細かく直したいときに、Sigilが役立ちます。

作業の流れ(5ステップ)

ステップ1:原稿を整える

どの方法でも、結果の差を生むのは変換前の原稿です。Wordなら、見出しに「見出し1」「見出し2」のスタイルを使い、空行で間を空けず、段落の設定で整えます。Calibreのマニュアルも、見出しのタグから目次を作れることを説明しています。

ステップ2:Calibreで変換する

  1. 原稿をCalibreに追加する
  2. 「本を変換」で、出力形式を「EPUB」にする
  3. 題名・著者・表紙などのメタデータを入力する
  4. 目次の設定を確認する。マニュアルによると、見出しのタグから、または元の文書のリンクから作れる
  5. 変換する

この段階では、「土台になるEPUB」を作るつもりで、完璧を目指さなくて構いません。

ステップ3:Sigilで仕上げる

変換したEPUBをSigilで開きます。公式の開発ページで紹介されている機能から、主に次の作業ができます。

  • 目次: 見出しから自動で作る。作ったあとに内容を確認する
  • メタデータ: 題名・著者・言語などを確認、修正する
  • 本文と見た目: 見た目を確認しながら直す表示と、コードを直接直す表示を切り替えられる
  • 検証: EPUB・CSS・XHTMLの検証機能がある

ステップ4:EPUBCheckとリーダーで確認する

仕上げたEPUBは、EPUBCheck(W3Cの適合検証ツール)で規格に合っているかを確認し、Kindle Previewerやリーダーで開いて、目次、画像、縦書き・ルビを確かめます。確認の項目は、高品質なEPUBを作るチェックリスト|変換前から公開前までにまとめています。

ステップ5:Calibreで管理する(任意)

完成したEPUBをCalibreのライブラリに保存すると、複数の本を管理できます。公式サイトでは、タグや著者などでの検索や並べ替えができると紹介されています。

KDPで出すときの確認

  • KDPは、EPUBを受け付けます。アップロード前に、Kindle Previewerで確認することが勧められています
  • 目次は、論理的な目次(NCX、またはEPUB 3のnav)が、特に20ページを超える本で重要とされています。Kindleは2階層までの入れ子に対応しています
  • 書き出したあとのEPUBが、Sigilでの見た目と、Kindle Previewerでの見た目で同じとは限りません。必ずKindle Previewerでも確認してください

手順で気をつけたい3つのこと

  1. PDFから始めない。 Calibreのマニュアルは、PDFは入力形式として非常に不向きだと明記しています(詳しくはPDFをEPUBに変換する方法3選|崩れる理由と注意点)
  2. Sigilで直すと、元の原稿には戻らない。 直した内容は、変換後のEPUBにだけ入ります。原稿を直したら、再度変換することになるため、直す内容は、原稿とEPUBのどちらで行うかを決めておく
  3. 縦書き・ルビは、それぞれで確認する。 この記事の確認時点で、CalibreとSigilでの縦書き・ルビの対応について、公式の説明は確認できていません。書き出して確かめてください

結論:役割を分けると迷わない

段階使うものやること
変換Calibre原稿をEPUBにする。メタデータ・表紙・目次の設定
仕上げSigil(またはCalibreのEdit book)目次・メタデータ・本文の直し
検証EPUBCheck規格への適合
確認Kindle Previewer・リーダー表示、目次、縦書き・ルビ

よくある質問

Sigilは必ず必要ですか?

必須ではありません。直す箇所が少なければ、CalibreのEdit bookで足りる場合があります。どちらを使うかは、直したい量と、慣れで決めてください。

MacでもCalibreとSigilを使えますか?

Sigilは、公式の開発ページで、Windows向けのインストーラーが提供され、MacとLinuxはビルド手順が公開されています。Calibreは、公式サイトでMacでの利用が案内されています。インストールの方法や最新の版は、各公式の配布ページで確認してください。

CalibreとSigilは、どちらから先に覚えるとよいですか?

Wordなどから作るなら、先にCalibreで変換を覚えます。Sigilは、変換したEPUBを直す必要が出たときに追加するとよいでしょう。

参考リンク

情報は変わることがあります。最新の内容は、各公式サイトで確認してください。

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