先に知っておきたいこと
2つのソフトは、役割が違う
| Calibre | Sigil | |
|---|---|---|
| 主な役割 | 電子書籍の変換・管理 | EPUBの編集 |
| 入力できるもの | Word(.docx)・テキスト・HTML・PDFなど多数 | EPUB(2・3) |
| 費用 | 無料のオープンソース | 無料のオープンソース |
| 対応OS | 公式サイトでWindows・Mac・Linuxなど | Windows(インストーラーあり)。Mac・Linuxはビルド手順が公開されている |
Calibreは、公式サイトで、数十種類のファイルを変換でき、目次の作成や余白の調整もできると説明されています。Sigilは、公式の開発ページで、EPUB 2・3を編集するための、無料のオープンソースの電子書籍エディターと紹介されています。
Sigilは、変換するソフトではない
SigilはEPUBを編集するソフトなので、WordやPDFを直接EPUBにすることは目的ではありません。Wordなどから作るなら、先にCalibreなどで変換します。
Calibreだけで済む場合もある
Calibreには、EPUBやKindleの形式を編集する機能(Edit book)が入っています。直したい箇所が少ないなら、Calibreだけで足りることもあります。目次やコードを、見た目を確かめながら細かく直したいときに、Sigilが役立ちます。
作業の流れ(5ステップ)
ステップ1:原稿を整える
どの方法でも、結果の差を生むのは変換前の原稿です。Wordなら、見出しに「見出し1」「見出し2」のスタイルを使い、空行で間を空けず、段落の設定で整えます。Calibreのマニュアルも、見出しのタグから目次を作れることを説明しています。
ステップ2:Calibreで変換する
- 原稿をCalibreに追加する
- 「本を変換」で、出力形式を「EPUB」にする
- 題名・著者・表紙などのメタデータを入力する
- 目次の設定を確認する。マニュアルによると、見出しのタグから、または元の文書のリンクから作れる
- 変換する
この段階では、「土台になるEPUB」を作るつもりで、完璧を目指さなくて構いません。
ステップ3:Sigilで仕上げる
変換したEPUBをSigilで開きます。公式の開発ページで紹介されている機能から、主に次の作業ができます。
- 目次: 見出しから自動で作る。作ったあとに内容を確認する
- メタデータ: 題名・著者・言語などを確認、修正する
- 本文と見た目: 見た目を確認しながら直す表示と、コードを直接直す表示を切り替えられる
- 検証: EPUB・CSS・XHTMLの検証機能がある
ステップ4:EPUBCheckとリーダーで確認する
仕上げたEPUBは、EPUBCheck(W3Cの適合検証ツール)で規格に合っているかを確認し、Kindle Previewerやリーダーで開いて、目次、画像、縦書き・ルビを確かめます。確認の項目は、高品質なEPUBを作るチェックリスト|変換前から公開前までにまとめています。
ステップ5:Calibreで管理する(任意)
完成したEPUBをCalibreのライブラリに保存すると、複数の本を管理できます。公式サイトでは、タグや著者などでの検索や並べ替えができると紹介されています。
KDPで出すときの確認
- KDPは、EPUBを受け付けます。アップロード前に、Kindle Previewerで確認することが勧められています
- 目次は、論理的な目次(NCX、またはEPUB 3のnav)が、特に20ページを超える本で重要とされています。Kindleは2階層までの入れ子に対応しています
- 書き出したあとのEPUBが、Sigilでの見た目と、Kindle Previewerでの見た目で同じとは限りません。必ずKindle Previewerでも確認してください
手順で気をつけたい3つのこと
- PDFから始めない。 Calibreのマニュアルは、PDFは入力形式として非常に不向きだと明記しています(詳しくはPDFをEPUBに変換する方法3選|崩れる理由と注意点)
- Sigilで直すと、元の原稿には戻らない。 直した内容は、変換後のEPUBにだけ入ります。原稿を直したら、再度変換することになるため、直す内容は、原稿とEPUBのどちらで行うかを決めておく
- 縦書き・ルビは、それぞれで確認する。 この記事の確認時点で、CalibreとSigilでの縦書き・ルビの対応について、公式の説明は確認できていません。書き出して確かめてください
結論:役割を分けると迷わない
| 段階 | 使うもの | やること |
|---|---|---|
| 変換 | Calibre | 原稿をEPUBにする。メタデータ・表紙・目次の設定 |
| 仕上げ | Sigil(またはCalibreのEdit book) | 目次・メタデータ・本文の直し |
| 検証 | EPUBCheck | 規格への適合 |
| 確認 | Kindle Previewer・リーダー | 表示、目次、縦書き・ルビ |
よくある質問
Sigilは必ず必要ですか?
必須ではありません。直す箇所が少なければ、CalibreのEdit bookで足りる場合があります。どちらを使うかは、直したい量と、慣れで決めてください。
MacでもCalibreとSigilを使えますか?
Sigilは、公式の開発ページで、Windows向けのインストーラーが提供され、MacとLinuxはビルド手順が公開されています。Calibreは、公式サイトでMacでの利用が案内されています。インストールの方法や最新の版は、各公式の配布ページで確認してください。
CalibreとSigilは、どちらから先に覚えるとよいですか?
Wordなどから作るなら、先にCalibreで変換を覚えます。Sigilは、変換したEPUBを直す必要が出たときに追加するとよいでしょう。